先生・在学生からのメッセージ|愛媛大学農学部生命機能学科

菅原 卓也先生

食べて健康になる方法〜機能性食品の開発〜

食品の健康機能について

Q. 現在の研究テーマについて教えて下さい

現在の研究のメインテーマは、どうすれば健康を維持できるか、です。食生活は、我々が生きていくための基本であり、何をどのように食べるかによって健康状態も大きく左右されます。若いころの食習慣は年を取ってもあまり変わりません。健康に良い食習慣を若いころから意識しておく必要があります。

食には三つの機能があると言われています。第1には栄養機能、すなわち生きるために食べるということです。第2の機能は、感覚機能と言われ、我々の感覚器に与える機能です。そして、第3の機能は生体調節機能です。すなわち、食べて健康になる機能です。私は、この第3の機能に注目して研究しています。色々な食品素材には、それぞれ様々な健康成分を含んでいます。例えば、愛媛県特産の柑橘には、βクリプトキサンチンやノビレチンといった、健康機能を持つ成分が含まれており、これらの成分がどのように健康効果を発揮するかを、動物培養細胞や実験動物、さらには、ヒトでの効果の実証研究を行っています。そして、得られた研究成果を活用して、様々な愛媛大学ブランド商品を開発しています。

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愛媛大学ブランド商品

何を求めて研究するか?

Q. 農学部で教育研究するきっかけ/やりがいは?

私自身、農学部出身ですが、なぜ農学部を選んだかというと、まず、「食」ということに非常に興味があったからです。また、大学で身につけた知識や技術を使って、自分で何かを開発することができるような職業に就きたいと考えていました。そうすると、必然的に進学先は農学部になります。そして、現在、まさに昔やりたいと思っていた、食の健康効果に関する研究と、それを活用した機能性食品の開発に携わっています。また、学生教育の一環として、企業との機能性食品の開発には、学生の皆さんにも参加してもらっています。これにより、企業における商品開発のプロセスを学生の間に体験することができるとともに、自分たちが開発に携わった商品がどのように販売されるかを実感することができます。

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学生参加型商品開発プロジェクトの風景

社会の役に立つ研究がしたい!

Q. 研究の将来の目標は?

農学部における研究の特徴は、研究を明らかにしたことを、どのように社会に還元するか、という点にあります。すなわち、未知だったことを研究によって明らかにするだけでなく、それをどう社会の役に立てるか、ということが重要です。機能性食品の開発に関する研究の成果を活用して、実際に製品を作り、それを利用してもらうことで、社会貢献できます。今後も、社会が求める様々な機能性食品の開発を進め、役に立ちたいと考えています。

課題解決力とコミュニケーション能力を身につける!

Q. どんな授業/実習を担当されていますか?

食品機能学の講義では、前半は講義形式で、食品の健康機能に関する知識を身につけてもらいます。後半では、グループワークにより、食品成分の健康機能性を活用した商品を考えてもらいます。食品には様々な健康効果もをもつ成分が含まれていますが、それをどう活用すれば、魅力的な機能性食品が開発できるかをグループで議論しながら、商品開発のアイデアを練ってもらいます。グループワークを通して、何が課題かを見出し、その課題を解決する方法を考え、それを実行に移す能力、すなわち課題解決力をみにつけるとともに、グループ内で自分のアイデアを理解してもらうためのコミュニケーション能力を身につけることができます。この課題解決力とコミュニケーション能力は、大学卒業時に身につけることが求められている非常に重要な能力であり、社会が皆さんに期待している能力です。

なりたい自分を目指して

受験生の皆さんへのメッセージ

大学で学ぶと言うことは、どういうことでしょうか? 大学での学びは、中学・高校での学びとは全く異なります。大学では、自分が将来どういうことをしたいのかを考え、その目的に向かって自主的に学ぶ姿勢が求められます。大学は、皆さんが目指している理想的な人物になるための助けとなる知識や技術を提供しています。なりたい自分を目指して、ともに学びましょう。

菅原先生の研究室の情報はこちら(動物細胞工学研究室食品機能学研究室

動物細胞工学研究室/食品機能学研究室のホームページはこちら

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