農村地域の水環境問題の解決を目指して
農村の水環境問題は、その重要性にもかかわらず、対策が極めて遅れています。本特別コースでは、日本や発展途上国において、生活排水、工業排水、農業排水などで汚染が進行している「農村の農業用水、生活用水、河川水、地下水などの水環境」の再生と、下水再生水や下水汚泥などの再生資源の農業利用に関して、高度な知識と技術を有する人材を育成します。
また、愛媛大学沿岸環境科学研究センター、大学院農学研究科附属環境先端技術センターと連携協力し、水質の計測・分析・解析に関する最先端手法・技術(環境微量分析、分子生物学的解析など)を教育することを特徴としています。
ディプロマ・ポリシー
(卒業認定・学位授与の方針)
教育理念と教育目的
様々な環境問題の中でも、その重要性とニーズの高さにもかかわらず、対策が極めて遅れているのが農村の水環境問題です。そこで、水環境再生科学特別コースでは、日本はもとより、特に発展途上国において、生活排水、工業排水、農業排水などで汚染が深刻化している「農村の農業用水、生活用水、河川水、地下水などの水環境」を再生するとともに、再生水の農業利用といった資源循環利用を達成できる技術に関わる高度な科学的知識を有するグローバル人材を育成することを目的とします。また、簡便、安価ながらも高性能な「農村向けの水質汚染対策技術」の開発、改良につながる農学、水質工学、分子生物学、生態工学などの最先端の知識と技術を修得させ、水源となる森林の科学も含めて体系的に修得できることを特徴とした農村の水環境再生に主眼をおいた教育カリキュラムを提供します。
育成する人材像
農学部の教育理念に基づいた農学教育を提供することにより、農村の水環境に関する様々な問題を解決できる人材を育成します。具体的には、
- 日本および世界の農村水環境に精通した人材
- 水環境再生科学に関わる研究、技術開発能力に優れた人材
- 再生水や下水汚泥などの水環境に関わる再生資源利用に精通した人材
- 海外で活躍できる水環境再生に関わるグローバル人材
を輩出することを目指します。
学習の到達目標
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知識・技能・理解
水質の計測、分析、解析と、水質工学、分子生物学、生態工学を基礎とする環境改善手法に関する専門知識と技術を修得している。
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思考・判断
日本および世界の農村水環境に関する諸課題を論理的考察に基づいて説明し、解決策を見出すことができる。
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興味・関心・意欲
日本および世界の農村水環境に関する諸課題を解決するため、主体性、協調性および高い倫理性をもって、自律的・継続的に行動することができる。
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表現
自らの論理的な思考・判断のプロセスや結果を説明するためのプレゼンテーション能力とコミュニケーション能力を有している。
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主体性・協働性
主体性をもって多様な人々と協力することにより、上記諸課題の解決に取り組むことができる。
卒業認定・学位授与
共通教育科目27単位、学部共通科目9単位、学科共通科目 28単位、コース専門科目61単位を修得した学生に対して、卒業を認定し学士(農学)の学位を授与します。
カリキュラム・ポリシー
(教育課程編成・実施の方針)
教育課程の編成と教育内容
1年次は、全学共通教育科目に加え、環境に関する専門知識と技術を修得するにあたって、農学に関する広範で俯瞰的な知識と技術を修得するための学部共通科目を開講しています。また、生物環境学科の基礎知識を修得するための学科共通科目を開講しています。さらに、大学院授業科目の先行受講(学部4年次から)、学部卒業研究の先行実施(学部3年次前学期から)、国内インターンシップの実施などのカリキュラムがあります。
教育方法と成績評価
講義形式の授業だけでなく、実験・実習等のアクティブ・ラーニングなど、ディプロマ・ポリシーに示す教育目的と学習の到達目標に応じて最適な形式の授業を実施します。また、授業時間外の学習を含む十分な学習時間を確保できるように履修登録制限(CAP制)を設けるとともに、eラーニングなど時間外学習を支援するツールを用意します。
すべての授業において、客観的な評価基準に基づき、筆記試験、レポートなどにより厳格な成績評価を実施します。
カリキュラムの評価
授業アンケート、入学者アンケート、卒業予定者アンケートなどの学生調査と各種統計データの分析を実施し、個々の授業科目の教育効果や、農学部の学修到達目標の達成状況について検証します。
カリキュラムマップ

アドミッション・ポリシー
(入学者受入の方針)
水環境再生科学特別コースは、農村の水環境に関する様々な問題を解決するための俯瞰的な視野をもち、日本はもとより世界的な観点から、その問題の解決に意欲的に取り組むことができる学生を求めます。
そこで、水環境再生科学特別コースは次のような資質を有する学生を求めます。
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知識・技能・理解
1.入学後の修学に必要な基礎学力を有している。
2.高等学校等で履修する6教科(国語、数学、理科、地理歴史・公民、外国語、情報)の基礎的な知識・技能を有している。 -
思考・判断
ある事象に対して多面的に考察し、自分の考えをまとめることができる。
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興味・関心・意欲
地域社会や国際社会における食料、生命、環境に関する様々な問題、特に環境に関する問題に関心をもち、学士課程・修士課程の一貫教育によって修得する知識をこれらの解決に役立てたいという意欲をもって行動することができる。
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表現
自分の考えを、日本語で他者にもわかりやすく表現できる。
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主体性・協働性
問題解決のために、主体性をもって多様な人々と協力できる。
選考方法の趣旨
【総合型選抜Ⅱ】
大学入学共通テストでは、高等学校等で履修する主要教科・科目の基礎的な知識を有しているかをみるために、6教科8科目を課し、「知識・技能・理解」を評価します。さらに、農村の水環境に関する様々な問題に関心を持ち、修士課程までの学習に励む強い意志と水環境再生科学という新たな分野で活躍したいという意欲を有しているかをみるために、志望理由書、調査書、活動報告書の提出を求めるとともに、面接を課しています。また、水環境再生科学に係わる基礎的知識を有しているかをみるために、口頭試問を課しています。さらに、面接と調査書・活動報告書により、「主体性・協働性」を評価します。