健康機能栄養科学特別コースSpecial Course of Food and Health Science

健康機能栄養科学特別コース(6年一貫)

食による健康長寿社会の実現を目指して

 高齢化と健康意識の向上に伴って、食の役割はますます重要になってきています。このような社会的要請に応えるために、健康機能栄養科学特別コースでは、 「食と健康」に重点を置いた、大学院修士課程までの6年一貫教育を実施します。食品成分の機能学的・栄養学的解析などの基礎領域から、機能性食品の開発などの産業に直結した応用領域に至る教育・研究を通して、食と健康のエキスパート、および研究者を養成します。また、愛媛大学食品健康機能研究センターと連携するとともに、医学部との医農連携による教育体制を取ることを特徴としています。

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

教育理念と教育目的

 高齢化と健康意識の向上に伴って、食生活の重要性が注目され、食と健康の関連性の解明とその活用に大きな期待がかけられています。一方、国の成長戦略の一環として機能性食品の機能性表示に関する規制緩和が始まり、今後、機能性食品の開発研究が活発化し、食と健康に関わる人材の育成と研究の必要性はますます高まると考えられます。そのため、生命機能学の領域の中で食と健康をキーワードとして、食品成分の栄養学的・機能学的解析などの基礎領域から、機能性食品の開発などの産業に直結した応用領域に至る教育研究を行います。また、食の機能性研究では保健医学的素養が重要であることから、愛媛大学食品健康機能研究センターとの連携に加え、医学部との医農連携による教育体制を取ることで、食によるQOLの向上や健康寿命の延伸に貢献できる高度な専門知識と技術を備えた、食品産業で即戦力として活躍できる人材を育成することを目的とします。

育成する人材像

 農学部の教育理念に基づいた農学教育を提供することにより、食品の栄養機能や保健機能に関する様々な問題を解決できる人材を育成します。具体的には、

  • 食による生活の質の向上や健康寿命の延伸に貢献できる高度な専門知識を備える人材
  • 食品産業等で、商品開発や研究などで即戦力として活躍できる実践的な能力を備える人材
  • 食の機能性解明研究に関する高度な専門知識と技術を備える人材
  • 食品衛生監視員・食品衛生管理者の任用資格取得により、食の安全・安心に関わる職に従事できる人材

を輩出することを目指します。

学習の到達目標

  • 知識・技能・理解

     食による生活の質の向上や健康寿命の延伸に貢献するため、食の機能性解明と生物資源の有効利用に関する専門知識と技術を修得している。

  • 思考・判断

     食の機能性解明と生物資源の有効利用のために解決すべき諸課題を論理的考察に基づいて説明し、解決策を見出すことができる。

  • 興味・関心・意欲

     食による生活の質の向上や健康寿命の延伸に貢献するため、主体性、協調性および高い倫理性をもって、自律的・継続的に行動することができる。

  • 表現

     自らの論理的な思考・判断のプロセスや結果を説明するためのプレゼンテーション能力とコミュニケーション能力を有している。

  • 主体性・協働性

     主体性をもって多様な人々と協力することにより、上記諸課題の解決に取り組むことができる。

卒業認定・学位授与

 共通教育科目27単位、学部共通科目9単位、学科共通科目37単位、コース専門科目52単位を修得した学生に対して、卒業を認定し学士(農学)の学位を授与します。

カリキュラムポリシー(教育課程編成・実施の方針)

教育課程の編成と教育内容

 1年次は、全学共通教育科目に加え、食と健康に関する専門知識と技術を修得するにあたって、農学に関する広範で俯瞰的な知識と技術を修得するための学部共通科目を開講しています。また、生命機能学科の基礎知識を修得するための学科共通科目を開講しています。さらに、大学院授業科目の先行受講(学部4年次から)、学部卒業研究の先行実施(学部3年次前学期から)などのカリキュラムがあります。

教育方法と成績評価

 講義形式の授業だけでなく、実験・実習等のアクティブ・ラーニングなど、ディプロマ・ポリシーに示す教育目的と学習の到達目標に応じて最適な形式の授業を実施します。また、授業時間外の学習を含む十分な学習時間を確保できるように履修登録制限(CAP制)を設けるとともに、eラーニングなど時間外学習を支援するツールを用意します。
 すべての授業において、客観的な評価基準に基づき、筆記試験、レポートなどにより厳格な成績評価を実施します。

カリキュラムの評価

 授業アンケート、入学者アンケート、卒業予定者アンケートなどの学生調査と各種統計データの分析を実施し、個々の授業科目の教育効果や、農学部の学修到達目標の達成状況について検証します。

カリキュラムマップ

7bf9392d45177c29f2a4c35860295c4107ceed83.jpg

アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)

 健康機能栄養科学特別コースは、食品の栄養機能や保健機能に関する様々な問題を解決するための俯瞰的な視野をもち、食の機能性解明と生物資源の有効活用に意欲的に取り組むことができる学生を求めます。
 そこで、健康機能栄養科学特別コースは次のような資質を有する学生を求めます。

  • 知識・技能・理解

    1.入学後の修学に必要な基礎学力を有している。
    2.高等学校等で履修する6教科(国語、数学、理科、地理歴史・公民、外国語、情報)の基礎的な知識・技能を有している。

  • 思考・判断

    ある事象に対して多面的に考察し、自分の考えをまとめることができる。

  • 興味・関心・意欲

     地域社会や国際社会における食料、生命、環境に関する様々な問題、特に生命に関する問題に関心をもち、学士課程・修士課程の一貫教育によって修得する知識をこれらの解決に役立てたいという意欲をもって行動することができる。

  • 表現

    自分の考えを、日本語で他者にもわかりやすく表現できる。

  • 主体性・協働性

    問題解決のために、主体性をもって多様な人々と協力できる。

選考方法の趣旨

【総合型選抜Ⅱ】

大学入学共通テストでは、高等学校等で履修する主要教科・科目の基礎的な知識を有しているかをみるために、6教科8科目を課し、「知識・技能・理解」を評価します。さらに、食品の健康機能や栄養機能に関する様々な問題に関心を持ち、修士課程までの学習に励む強い意志と健康機能栄養科学という新たな分野で活躍したいという意欲を有しているかをみるために、志望理由書、調査書、活動報告書の提出を求めるとともに、面接を課しています。また、健康機能栄養科学に係わる基礎的知識を有しているかをみるために、口頭試問を課しています。さらに、面接と調査書・活動報告書により、「主体性・協働性」を評価します。