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生物環境学専攻バイオマス資源学コース

環境に配慮した材料を作る

福垣内 暁

准教授

福垣内 暁

KEYWORD粘土、和紙、バショウ

紙産業教育

木材を材料として有効活用するために、パルプ製造や抄紙技術、機能性素材の開発や複合化、製紙廃棄物や排水処理に関する教育研究を行う。

紙産業教育

木材を材料として有効活用するために、パルプ製造や抄紙技術、機能性素材の開発や複合化、製紙廃棄物や排水処理に関する教育研究を行う。

教育・研究内容1製紙技術を応用して環境に優しい新材料を作る

 印刷のにじみを抑えたり、発色を高めるために紙の表面には、粘土と呼ばれる材料が塗布されます。つまり粘土を紙表面に塗るだけで本来紙が持たない特性を付与することができます。我々はこの技術が金属のアルミニウムに応用できないか検討を行い、アルミニウムの表面の一部を粘土に転換し、金属-粘土ハイブリッド材料を作ることに成功しました。この材料は、環境負荷の少ない原料を用いて、常温という低温で容易に合成できる環境に大変優しい材料です。このハイブリッド材料にはアルミニウ ムでは達成できない、摩擦低減、気化熱冷却など多くの省エネ効果があることが分かっています。現在も実用化に向け研究を継続しています。

粘土の拡大写真
粘土の拡大写真

教育・研究内容2廃棄されるバショウから新しい和紙を作る

 バショウは、愛媛県の南予地方に植生するバショウ科の多年草です。大洲、内子地方では、古くより、バショウの葉をお盆の棚飾りとして利用する文化がありますが、葉以外は使用されず、廃棄されています。廃棄されるバショウの茎から繊維を抽出し紙を漉いてみたところ、太い繊維と細い繊維が織り交ざった風合いの良い紙が出来上がり、これを“芭蕉和紙”と命名しました。研究をすすめていくと、芭蕉和紙には、透明性、染色性、にじまないといった従来の和紙には見られない特徴を有することが判明しました。さらに、バショウの繊維には、セルロースナノファイバーという最先端の素材も含まれていることが新たに判明し、実用化に向けて研究を継続しています。

芭蕉和紙
芭蕉和紙

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