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生物環境学専攻環境保全学コース・水環境再生科学特別コース

微生物を使って地球環境を修復する

光延 聖

教授

光延 聖

KEYWORD土壌、環境浄化微生物、地球冷却微生物

水圏・土壌環境学

地球表層環境に生じた極微細コロイドの特性と化学構造及び同コロイドと化学物質の相互作用のナノレベル解析。

水圏・土壌環境学

地球表層環境に生じた極微細コロイドの特性と化学構造及び同コロイドと化学物質の相互作用のナノレベル解析。

※農学研究科研究グループ(ARG)「農環境・生態系の保全と食の安全に係る包括的有害物質監視・リスク評価研究グループ」メンバ-

教育・研究内容1土壌微生物の力で地球をキレイに

 土壌は、まるで「微生物の宝箱」のような場所です。耳かき一杯分の土の中に、なんと数千種類、数億匹もの微生物が生息しており、地球上でもっとも微生物の種類が豊富な環境だといわれています。私たちは、この土壌から環境を守るのに役立つ特別な微生物を探し出す研究を行っています。微生物は、目に見えないほど小さな生き物ですが、その小ささを活かして驚くほど早く反応を進めることができます。また、微生物は高等生物が利用できない無機物や有害物質を分解し、エネルギーに変える能力も持っています。微生物を使った環境修復(バイオレメディエーション)は、化学処理よりも環境への負担が少なく、エネルギーを節約し、コストも抑えられる魅力的な方法です。「環境の世紀」と呼ばれる21世紀に、この技術がどのように私たちの未来を変えていくのか、あなたも一緒に研究してみませんか?

微生物による環境修復(バイオレエメディエーション)
微生物による環境修復(バイオレエメディエーション)

教育・研究内容2環境浄化微生物&地球冷却微生物を探せ!

 私たちは、地球をキレイにする微生物を研究しています。微生物の中には、有害物質を吸着する固体(吸着媒)を自ら作り出すものがいます。たとえば、鉄やマンガンを酸化する「鉄酸化菌」や「マンガン酸化菌」です。これらの特別な微生物を土壌から見つけ出し、一種類だけを育てる「単離」研究に取り組んでいます。研究では、微生物が最もよく育つように培養液の物理化学条件を調整することが大切で、生物・化学・物理の知識をフル活用して微生物と向き合っています。最近では、温室効果ガスの一つである亜酸化窒素(N₂O)を無害な物質に変える「地球冷却微生物」に注目しています。N₂Oは二酸化炭素の約300倍も強力な温室効果を持ち、主な発生源は窒素肥料を大量に使う農地の土壌です。この問題を解決するため、N₂Oを消す力を持つ微生物を土壌から見つけ出し、地球温暖化対策に活用する技術開発を進めています。

フィールドでの1コマ(研究室メンバー全員で試料採取に出かけます)
フィールドでの1コマ(研究室メンバー全員で試料採取に出かけます)

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