教員一覧Faculty's List

食料生産学専攻植物工場システム学コース・知能的食料生産科学特別コース

植物の環境応答の仕組みを細胞・分子レベルで明らかにする

和田 博史

教授

和田 博史

KEYWORD環境ストレス、水分生理、質量分析

植物細胞システム計測学

栽培植物の生育する環境(養分、温度、乾燥、光条件)が与えるストレスと植物の応答反応を組織・細胞・分子レベルで生理学的に研究する。

知能的食料生産科学

コンピュータコミュニケーション技術の開発と利用、植物生体情報や環境情報の収集と解析、植物や環境に関するビッグデータ活用を通して、食料生 産の情報化・知能化の推進、スマートアグリの実現を目指し、6次産業化などの総合情報システム化によるフードイノベーションに関する教育研究を行う。

植物細胞システム計測学

栽培植物の生育する環境(養分、温度、乾燥、光条件)が与えるストレスと植物の応答反応を組織・細胞・分子レベルで生理学的に研究する。

知能的食料生産科学

コンピュータコミュニケーション技術の開発と利用、植物生体情報や環境情報の収集と解析、植物や環境に関するビッグデータ活用を通して、食料生 産の情報化・知能化の推進、スマートアグリの実現を目指し、6次産業化などの総合情報システム化によるフードイノベーションに関する教育研究を行う。

教育・研究内容1未来可能性を広げる1細胞生体計測法の開発

 顕微鏡下で植物組織を観察すると、そこには多くの細胞が並んでいて、それらは均一であるかのように思えます。しかし、植物を取り巻く環境に変化が起きた時など、同じ組織の中であっても個々の細胞で応答が異なるケースも見られます。例えば、温暖化により多発するイネ白未熟粒(教育・研究内容紹介2参照)では、高温等の不良環境に起因して胚乳の一部が白く濁るため、要因解明には細胞に的を絞った解析が必要です。このようなニーズに応えるため、私たちは成長中の植物の標的1細胞に針を刺し、水分状態を示す細胞内の力(膨圧)を測り、さらにそこから採取した細胞液中の成分(代謝産物)を瞬時に同定する1細胞生体計測法を開発しました。

トマト1細胞での水分状態・代謝産物計測の様子
トマト1細胞での水分状態・代謝産物計測の様子

教育・研究内容21細胞生体計測法を用いた植物の環境応答の解明

 温暖化に伴う白未熟粒・充実不足の発生により、全国的に米品質が不安定化しています。中でも、高温でお米の背中が白濁した背白粒(左写真)が多発しますが、十分な穂肥を与えておくと、高温でも白濁が抑えられ、品質低下を回避できることが知られています。しかし、これらの細胞レベルの要因は明らかにはなっていませんでした。私たちは上述の方法を用いて、そのメカニズムの一端を明らかにしています。現在、この手法を応用したイネ1花粉粒分析(右写真)による高温不稔やリンゴ蜜症の課題にも取り組んでいます。今後、1細胞生体計測法を改良し、植物の環境応答の研究を深化させるとともに、植物工場を始めとする生産現場での農作物の安定生産に貢献していきます。

高温に伴った背白粒(左)とイネ1花粉粒分析(右)
高温に伴った背白粒(左)とイネ1花粉粒分析(右)

一覧に戻る