愛媛大学農学部・大学院農学研究科

はだか麦資源開発研究グループ(代表者:荒木 卓哉)

研究グループの活動目的

 近年の健康志向と今後の超高齢化社会の到来に対応するために,新規機能性成分の探索や機能性成分高蓄積を目指した形質改良は,高付加価値はだか麦開発の新機軸として展開すべき課題である。本グループでは,これまでに整備した遺伝資源ならびに遺伝子解析システムを活用して,実需者ニーズを反映したはだか麦を育成するとともに,愛媛県主要農作物であるはだか麦の生産振興と普及の拡大に質する活動を通して,超高齢化社会において生活に潤いをもたらす地域志向型研究拠点形成を目指す。

研究グループの活動実績の概要

 マンネンボシ突然変異M3世代約8000系統からなる遺伝資源の整備,遺伝子解析システムの根幹となるTILLING技術の確立,これらを用いてもち性有望5系統を選抜した。また,機能性成分の有効性の検証に関する実験系の構築および糠の有効利用に関するシーズを育成した。さらに3回のセミナーを開催し,オオムギ研究のコンソーシアムを形成した。

活動計画概要

 3年間の研究期間ではだか麦の遺伝資源開発を推進させるために,

  • 1. 生産振興及び実需者ニーズに応えるための情報収集・分析を行う。
  • 2. 基盤整備した遺伝資源コレクションとTILLING法を用いた遺伝子解析システムにより優良形質の選抜と品種開発を行う。
  • 3. 既に選抜したもち性はだか麦有望系統を用いて品種登録の申請を行う。
  • 4. 形質,食品加工,機能性成分の評価及び有効性を検討する。

 上記4点の活動を通して競争的外部資金を獲得し,はだか麦の生産振興および普及に関する基礎および応用研究を推進するとともに,オール愛媛による魅力あるはだか麦を育成し,地域産業のイノベーションおよび地域志向人材の育成,ひいては健康的な体作りに寄与する。

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