農学部の猪川聡美研究員らの研究内容が医学雑誌Medical Science Digest 8月号「最先端医療の今」に掲載されました
愛媛大学農学部地域健康栄養学分野の猪川聡美研究員らの研究グループは、人の一生のうちで唯一骨量が増える「小児期」に着目し、骨の健康に重要な役割をもつ栄養素「ビタミンD」の不足/欠乏状態を早期発見するとともに、小児期からの効果的な食育・栄養教育によりビタミンD 栄養状態の改善や将来の骨粗鬆症発症を予防することを目指した研究を行っています。
我が国の骨粗鬆症患者は1,590 万人にものぼり、その7割は女性が占めています。厚生労働省が示す国民健康づくり運動の基本指針「健康日本21(第三次)」では、女性の健康について「骨粗鬆症健診受診率の向上」が新たな目標に追加されました。産後の痩せ女性の7割が低骨密度であることや、胎児期から幼少期の栄養環境が生涯にわたり健康に影響するというDevelopmental Origins of Health and Disease(DOHaD)仮説の概念を踏まえると、骨粗鬆症予防においても小児からの予防的な取り組みが重要だと考えられます。
そこで猪川研究員らは、日本学術振興会(JSPS)科研費(研究代表者:猪川聡美)を受けて、独立行政法人国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター(香川県善通寺市)と共同で、0歳から15歳の子供を対象に「こどものビタミンD欠乏を見つける質問表をつくろうプロジェクト!」を実施し、ビタミンD欠乏をできるだけ早く見つけるための質問票の開発研究を行っています。
本プロジェクトでの取り組みや、科学的エビデンスに基づいた食育教材の開発に関する研究内容が、医学雑誌Medical Science Digest 8月号の「最先端医療の今」に掲載されました。
【掲載情報】
雑誌名:メディカル・サイエンス・ダイジェスト2024年8月号
特集:社会健康医学が生む新たな潮流
タイトル:小児期からの骨粗鬆症予防-ビタミンD欠乏と食育に着目して
著者名:猪川聡美、吉田守美子、横田一郎、細川モモ、丸山広達